「庭の木が大きくなりすぎて、自分たちではどうにもできない…」
「隣の家に枝が越境しそうだけど、すぐ隣が建物で木を倒すスペースがない」
「電線に木の枝が掛かってしまいそうで危ない」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
実は、これらの問題を解決するのが「特殊伐採」と呼ばれる専門技術です。
この記事では、通常の伐採との違いや、どのような状況で特殊伐採が必要になるのかを分かりやすく解説します。
目次
1. 特殊伐採とは?
特殊伐採とは、木を根元から切り倒すスペースがない場所や、周辺の建物・電線などを保護しながら木を伐採する専門的な技術のことです。
通常の伐採が、木こりのように木の根元に切り込みを入れて一定の方向に倒すのに対し、特殊伐採は木に登ったり、クレーンを使ったりして、上から少しずつ枝や幹を切り分けて安全に地上へ下ろします。[2][3]
通常の伐採との大きな違い
特殊伐採 | 通常の伐採 | |
作業場所 | 住宅地、ビルのそば、崖、電線の近くなど、狭く危険な場所 | 山林など、木を倒すスペースが十分にある場所 |
作業方法 | 木に登り、上から少しずつ切り分ける。クレーン等も使用 | 根元からチェーンソーで切り、一方向に倒す |
必要な技術 | ロープワーク、クライミング技術、重機操作など高度な専門知識 | 伐倒方向を見極める基本的な林業技術 |
リスク | 周囲の建造物や人命に関わる高いリスク | 比較的リスクは低い |
2. どんな時に特殊伐採が必要になるのか?
具体的に、以下のようなケースで特殊伐採が必要とされます。
- 建物や道路に木が近接している
建物やお庭の構造物を傷つけずに伐採する場合や、交通量の多い道路脇の木を伐採する場合などです。[1] - 電線や電話線が近くにある
電線に枝が接触すると、停電や火災の原因になるため、非常に慎重な作業が求められます。[1] - 崖地や急斜面に木が生えている
通常の作業では足場が不安定で危険な場所では、特殊伐採の技術が不可欠です。[1] - お墓のそばの木など
墓石などを絶対に傷つけることができない状況での伐採も、特殊伐採の対象となります。 - 台風などで木が倒れかかっている
すでに傾いてしまい、いつ倒れるか分からない危険な木を安全に処理する場合にも活用されます。[1][3]
3. 特殊伐採の主な技術
特殊伐採では、状況に応じて様々な専門技術を使い分けます。
- ロープワーク(ツリークライミング)
作業員がロープや安全帯を使って木に登り、枝や幹を少しずつ切断します。切った部分は別のロープでコントロールしながら、安全に地上へ下ろす技術です。重機が入れない狭い場所で特に活躍します。[2][5] - クレーンや高所作業車
クレーン車を使い、伐採する部分を吊り上げてから切断することで、安全かつ効率的に作業を進めます。高木や大木の伐採でよく用いられる方法です。[2][4]
まとめ
特殊伐採は、単に木を切るだけでなく、周辺の安全を確保しながら困難な状況を解決するための高度な専門技術です。通常の伐採と異なり、ロープワークや重機を駆使して、建物が密集した都市部や危険な場所にある木を安全に処理します。